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動物は美がわかるのか:審美眼は人にしかないのか(2)

 クジャクの雄はなぜ生存上不利と思われる派手な姿をとるように進化したのか。それは雌が派手な雄を好んだからだというのが性選択説。この説には、なぜ雌はそんな雄を好むように進化したのか、という点が抜けてしまっている。仮に派手な雄が生存上不利だとして、雌の中に派手好きさに違いがあるとしよう。すると、派手な雄を選ぶ雌の子孫より、地味な雄を選ぶ雌の子孫の方が 生存率は高くなるはずである。したがって、雌は地味好みに進化し、雄も地味になる。では、クジャクの性選択説において、なぜ雌の好みの進化という議論をしないのか。

 そもそも、クジャクの飾り羽は本当に生存に不適なのか。あの飾りはまるで無数の目玉のように見える。羽を広げると、小さく見えた体が突然大きくなって、 しかも無数の目玉が睨んでいる。捕食者にとって、それは、獲物が突然妖怪「百目」に化けたような擬態そのもの。つまり、派手な雄ほど敵を撃退できることになる。目敏い雌はこんな雄と一緒にいると助かると思うのではないか。

 生存だけでなく繁殖しなくては進化できない。繁殖のためには雌雄が出会い、同種を認知し、他種を排除しなくてはならない。雌雄が出会うためには、生活密度を高める、目立つ姿になる、認知能力を高めるなどが必要となる。生活密度を高める場合は餌の確保が難しくなり、目立つ姿の場合は捕食者から狙われやすくなる、あるいは 獲物に逃げられやすくなる。一般に目立つ姿になるのが雄であるのは、生殖に関して雄の負担が小さいため。雌雄どちらかが目立てばよいので、余裕のある側がエネルギーを使って「目立つ」ことになる。進化における選択圧には「生存競争」と「繁殖競争」があり、「繁殖競争による選択圧」が「性選択」。

 ここで視点を変えて、「紅葉と進化」について考えてみよう。紅葉と落葉のメカニズムについては、相当によくわかっている。だが、そもそも木々はなぜ紅葉するのか、についてはまだはっきりとした科学的な説明はない。植物も動物も長い時間をかけて進化してきた。その進化の過程で、「紅葉」の進化的要因や進化的機能については、これまでは普通に葉っぱの「老化現象」にともなう「副作用」であると説明されてきた。

 イギリスのウィリアム・ハミルトンが、1999年(平成11年)に北半球の262の紅葉植物とそれに寄生するアブラムシ類の関係が調べたところ、紅葉色が鮮やかであるほどアブラムシの寄生が少ないという事実を発見した。紅葉の原因は、アントシアンやカロテノイドなどが葉の内部で合成されるためだが、このためには光合成などの大きなコストがかかる一方で、特段、紅葉すること自体が直接害虫への耐性を高めるわけではない。ところが、アブラムシは樹木の選り好みが強い昆虫で、長い間の研究で一部の種は色の好みもあることがわかってきた。こうした研究結果からハミルトンは、植物の紅葉は自分の免疫力を誇示する「ハンディキャップ信号」として進化してきたのではないか、と考えた。つまり、赤色や黄色に変色する木々は、「十分なアントシアンやカロテノイドを合成できる自分は、耐性が強いのだから、寄生しても繁殖することはできない」と訴えていると解釈できる、と言うのである。

 ハンディキャップとは、スポーツやゲーム等において競技者間の実力差が大きい場合に、その差を調整するために事前に設けられる特定ルールのことで、競技に限らず様々な競争的な場での立場を不利にする条件を指す言葉として用いられている。弱い立場にある場合に、他の強い者に対抗するために与えられるアドバンテージがハンディキャップだが、ハミルトンは植物の紅葉も一種のハンディキャップではないかと考えたのである。

 植物は「耐性が強いのだから、寄生しても繁殖することはできない」と強がっていると述べたが、これは「私はもともとアブラムシたちよりもずっと弱い立場にある。だから、秋になったら君たちに食べられないよう、ハンディキャップとして君たちの嫌いなアントシアンやカロテノイドを合成させてもらう。」と主張しているとも解釈できる。つまり、ハンディキャップ信号というのは、危害を加えるものに対して自分がその対抗手段として何等かの「ハンディキャップ」を持っていることをアピールするための「信号」という訳である。

 植物の場合、アブラムシなどの動物に対して自らが弱い立場にあることを示すハンディキャップが「紅葉」ではないかと言うのがこの説だが、実はこれより前から動物に関して研究されていた。その典型例として挙げられるのが、前述のガゼルの跳びはね行動(Stotting)。ガゼルは、捕食者のライオンやチータに狙われていることに気づくと、最初のうちはゆっくり走って逃げ始め、途中で突然急に高く跳びはねる。捕食者に見つかりやすくなるこの行動は、不可解な行動であり、なぜそんな不利に見える行動に出るのかということが長く議論されてきた。それに対して、その行動は他のガゼルにチータの存在を知らせているのだろうと説明されてきた。ところが、1975年にイスラエルの生物学者ザハヴィが、このガゼルの行動は、他の仲間より自分が健康で絶好調の個体であることを捕食者に示し、捕食者がそれを追うことを諦めるようにするための行動ではないかと主張した。つまり、健康なガゼルは、捕食者であるチータに、「自分はこんなに元気なんだから、追っかけたって、逃げることができる。だから、追跡は無駄だ。」と知らせており、捕食者に対して、無駄なエネルギー\xA4

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 植物や動物が出す、この「ハンディキャップ信号」に関する理論は、「ハンディキャップ理論」と呼ばれていてる。「羽を広げるクジャク」もオスがメスに自分のエサの確保の能力や肉体能力を誇示しているのではないかと考えられる一方で、羽根を広げれば他の肉食系の動物に目立つ行為になることから、ハンディキャップ信号の一種ではないか、それを積極的に示すことが直接自己の生存や繁殖の何等かの利益になるのではないか、との仮定の下で研究がされている。

 雄が雌に自分のエサの確保の能力や肉体能力を誇示するという考え方は指標理論(優良遺伝子説)と呼ばれ、クジャクの雄は肉体的な能力を誇示するためにその羽のきらびやかさを最大限雌にみせているという考え方。これに対して、ハンディキャップ理論では、例えば羽根を大きく広げるオスは、寄生生物への耐性があり栄養状態が良いことをメスに知らせているのではないか、と考える。